巡る季節に思うこと

『忘れたい』『思い出したくない』と思うことを思い出すきっかけとなることを、トリガーといいます。

日常の様々なものがトリガーになるのですが、私の場合は『季節の巡りを感じること』がそのひとつです。

肌で感じる風のあたたかさ・冷たさ、雨の日の土の香りや澄み渡る青空、夏の花火、そんなひとつひとつが亡き人やその人がいなくなってからの日々を想い出すきっかけになります。

悲しみはなくならない、だけどこの17年で随分とトリガーに出会った時の準備をすることができるようになってきました。

まだまだ暑い夏ですが、そろそろ私のココロは、ふとした時の朝晩の風の心地よさに、秋の訪れを感じます。

…よいしょ、よいしょ、もうすぐ秋だよ。ココロにこのお洋服を着ようよ…

そうすると、弟が旅立った紅葉のキレイな時期を何とか迎え、やり過ごすことができるのです。

悲しみはなくならない、だけど悲しみの『形』や『色』や『温度』は少しずつ変わっていきます。それは目に見えないかもしれないけど、時々、自分の悲しみの『形』や『色』や『温度』はどんなかなぁと想像してみてください。

次回の栞では、パステルを使って今の悲しみの絵を書こうかなぁと思っています。